COLUMN

受験前に知っておきたい、ボル検の基礎知識

Photo : Tetsuro Moriguchi


『頂』の注目コンテンツのひとつが、今年度からJMSCAの公認となったボルダリング検定。この通称“ボル検”とは、いったいどのような検定なのか?その立ち上げ背景と検定方式を解説します。


ボル検とは?

ボルダリング検定とは、日本クライミングジム連盟(以下ジム連盟)主催のもと2017年にスタートしたボルダリングの技能検定です。今年度の検定会は6回を予定されていて、毎回異なる全国のクライミングジムで行われます。クライミングを楽しむ人は、ジムだけで登る、コンペティションを目標とする、自然の岩場でも登る、の3つに大別されると言われていますが、検定委員長を務める山森政之氏は、「『ジムだけで登る人』の割合は7割に達する」と指摘します。

コンペではない、新しい挑戦の場を

そんな人たちの新たな目標として、また上達の指標として、コンペとは異なる技能検定という挑戦の場を設けることがクライミング界のさらなる発展につながるとジム連盟は考えました。しかし、ボルダリングの難易度(グレード)設定は人の感覚に頼る部分が大きいため、これまで技能検定の場はほとんどありませんでした。

そこでジム連盟は2016年に準備委員会を発足させ、世界のクライミングとそのグレード感覚を知る平山ユージ氏(現JMSCA副会長)と岡野寛氏(国際ルートセッター)をそれぞれ委員とスーパーバイザーに迎えるなどし、検討とシミュレーションを重ねました。その結果、技能検定に耐えうるグレード感覚の標準化とその共有は可能と判断。2017年11月の第1回開催にこぎつけたのでした。

検定委員長を務める山森氏


5つのクラスに分かれた検定方式

検定は5級から1級までがあり、各クラス5課題の成績でボルダリング能力を評価します。課題は経験と技能を有したプロのルートセッターが吟味してセットしたもの。5級から3級まではセッション方式(※1)で、2級と1級は3課題によるセッション方式(3課題)と2課題によるIFSC方式(※2)の混合で実施されます。

セッション方式の制限時間は60分。IFSC方式では5分間につき1課題の完登を目指します。そして5課題中3課題以上完登すれば見事に合格。3完登者にはブロンズ、4完登者にはシルバー、全完登者にはゴールドマスターという合格等級が用意され、合格者は認定料を支払い、認定証と認定バッジが授与されます。

※1:制限時間内であれば、好きな順番で複数課題をトライ回数の制限なく登ることができる方式。
※2:各課題に対して1選手ずつ順番にトライし、制限時間内に完登を目指す。通称ベルトコンベア方式。

CLUB JMSCA ITADAKIへの事前のご入会

今年度からの大きな変更点として、JMSCAの公認事業となり、CLUB JMSCA ITADAKIへの事前入会(※3)が必要となります。CLUB JMSCA ITADAKIの有効期間中(12か月)は何度でも検定を受験することができ、2回目以降からは検定料のみで受験することができます。本年度、検定を受験するには、まず「年会費」と「検定料」がかかる代わりに、本年度より検定料が引き下げられました(※4)。年間スケジュールも出ているので、ぜひCLUB JMSCA ITADAKIの有効期間中は、何度でもボルダリング検定にチャレンジしてもらいたい。

※3:CLUB JMSCA ITADAKIには、頂 -ITADAKI- 会員(6,000円(税抜))と登 -CLIMB- 会員(2,000円(税抜))の2コースが用意されており、どちらにご入会いただいてもボルダリング検定を受験することができます。
※4:去年までの検定料金はこちら

コンペとは決定的に違う、自分対課題

「コンペは自分が登れても順位で劣れば上にはいけないが、検定は良いパフォーマンスさえ発揮できれば合格できる。コンペは競うものだが、検定はあくまでも自分対課題。そこが決定的に違う」と山森氏。クライミング界に新たな価値を創りだし始めたボルダリング検定。新たな目標のため、何よりあなたの向上心にさらなる火を灯すため、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?